グローバルテクノロジーと機能性材料を提供するセラニーズ・コーポレーション(NYSE:CE、本社:テキサス州ダラス市、以下「セラニーズ」)は、2017年のGAAPベースの希薄化後1株あたり利益が$6.19、調整後1株あたり利益が$7.51となったことを発表しました。また、2017年第4四半期についても、GAAPベースの希薄化後1株あたり利益が$1.50、調整後1株あたり利益が$1.98となったことを発表しました。2017年の財務実績にはアドバンスト エンジニアード マテリアルズ(AEM)およびアセチルチェーンが大きく貢献し、コンシューマ スペシャリティの減少を補って余りある効果を発揮しました。アドバンスト エンジニアード マテリアルズの成長は、需要機会における成功、中国市場における地歩の拡大、買収したSO.F.TERとNilit の統合、合弁企業各社の業績の向上などが背景となっています。先日セラニーズはカスタム コンパウンダーOmni Plastics社の買収が最終合意に達したことを発表しましたが、この取引によって機能性ポリマーのポートフォリオが広がると共に、新たなエンドマーケットにおける認知度も高まります。アセチルチェーンは、ビジネスモデルの発展、ハリケーン「ハービー」や大規模な定期修繕の影響からの回復を経て着実に強化されています。
2017年第4四半期および通期 - 財政面のハイライト
(1) 下記「Non-US GAAP Financial Measures」を参照。
(2) 本プレスリリースに記載されている調整後利益の話には、「セグメント収益」および「調整後 EBIT(利払前、税引前利益)」などの用語の使用も含まれ ています。これらの非 GAAP 用語は下記で定義しており、「Non-US GAAP Financial Measures and Supplemental Information」で調整しています。
2017年度事業概況
マテリアル ソリューションズ
2017年度の収益は前年比21%増となる29億ドルで、アドバンスト エンジニアード マテリアルズの成長がコンシューマ スペシャリティ、主にアセテートトウの減少を上回りました。GAAP営業利益は6億100万ドル、調整後EBIT(利払前、税引前利益)は9億ドルでした。アドバンスト エンジニアード マテリアルズは基本となる事業、新たな買収、関連企業の売上増を背景に、これまでの年度を上回る実績を達成しました。3億8,300万ドルの営業利益は過去2番目となる実績で、セグメント収益5億6,700万ドルは過去最高となります。取扱量についても、需要機会における進展、SO.F.TER.およびNilitの買収、また各地域全体、特にアジアでの成長などを背景に前年比で増加しました。2017年に事業化した新しいプロジェクトの数は2,232に上り、前年比61%増となるこの実績は、パイプラインモデルを通じたソリューション ベースのパートナーシップに対する顧客からのニーズに応えるアドバンスト エンジニアード マテリアルズの能力を明確に示しています。アドバンスト エンジニアード マテリアルズは顧客のニーズをポリマー ソリューションに結び付け、プロジェクトをプログラムへと組織化し、社内リソースの優先度を定義し、これらの成功を最終用途に結びつけることによって、わずか数年で事業化プロジェクト数が大幅に伸びました。
コンシューマ スペシャリティのGAAP営業利益は2億1,800万ドル、セグメント収益は3億3,300万ドルでした。想定していた通り、トウ業界における利用率の不振を背景に2017年のトウの価格および取扱量は2016年から減少し、生産性向上の取り組みによる効果を相殺する結果となりました。
マテリアル ソリューションズの関連企業の売上は、イブン・シーナー社のMTBE価格上昇およびポリマー合弁企業各社の業績向上が後押しする形で、前年度を上回る2億7,800万ドルでした。中国のアセテートトウ合弁企業各社の収益は、前年並みで推移しています。
アセチルチェーン
アセチルチェーンのGAAP営業利益は過去3番目となる5億1,100万ドル、また調整後EBIT(利払前、税引前利益)は過去2番目となる5億7,500万ドルでしたアセチルチェーンは、第2四半期に行った米テキサス州クリアレイクの施設における大規模な定期修繕、また第3四半期に発生したハリケーン「ハービー」による米湾岸部の被害などに起因する取扱量の低迷にも関わらず、このような業績を達成しました。営業利益は過去最高だった2014年から50ベーシス ポイント増の15.2%、調整後EBIT(利払前、税引前利益)は過去最高だった2016年から260ベーシス ポイント増の17.1%でした。アセチルチェーンは複数の販売機会を掘り起こして実際の取引につなげることで、収益を高める成長を実現し(特にアジアの酢酸)、原材料費の高騰(特にメタノール)による影響を乗り越えました。今年度の堅調な業績は、アセチルチェーンの独自資産とグローバル サプライチェーンを基盤に需要と原材料の変動を管理できる能力の成果です。
最近のハイライト
2017年第4四半期事業概況
第4四半期の収益は前年比25%増となる7億3,500万ドルで過去最高となりました。新規プロジェクトの導入と買収によるアドバンスト エンジニアード マテリアルズの成長は、トウによるコンシューマ スペシャリティの減少を部分的に相殺する効果をもたらしました。アドバンスト エンジニアード マテリアルズは、第4四半期として過去2番目となる9,100万ドルのGAAP営業利益、また第4四半期として過去最高となる1億3,500万ドルのセグメント収益を達成しました。このように堅調な第4四半期の業績の背景には、ソリューションをベースにした顧客とのコミュニケーションに集中し、地理およびアプリケーションを分散させることで季節性による影響を抑えるための協調的な努力があります。第4四半期の需要機会は587プロジェクト増加し、価値を高める可能性を求める顧客の変わらぬ勢いが反映されています。16.5%の営業利益と24.5%のセグメント収益は前年比で減少していますが、これは複数の新たな買収が収益の希薄化につながったこと、また当四半期におけるプラント費用の一時的な上昇が原因です。これらの収益は、買収による相乗効果が表れる2018年以降に回復する見込みです。取扱量の増加と関連企業の収益は、原材料費の上昇とプラント費用による影響を相殺する以上の効果を発揮しました。
トウ業界における利用率の低下により、第4四半期のアセテートトウの価格と取扱量は予想どおり前年比で減少しました。結果として、これらの要因による順当な業績となりました。
第4四半期の収益は、価格の上昇を背景に前年同期比19%増となる8億8,800万ドルでした。GAAP営業利益は過去3番目となる1億7,600万ドルで、調整後EBIT(利払前、税引前利益)は前年同期比107%増で第4四半期として過去最高となる1億7,800万ドルでした。アセチルチェーンは特に確固とした基盤を持ち、グローバル サプライチェーンにおける柔軟性によって、瞬間的な利用率の変化(特に中国)にも迅速に対応することができます。GAAP営業利益19.8%およびセグメント収益率20.0%は、いずれも最高記録です。アセチルチェーンはそのモデルと市場力学をうまく活用することで、原材料の調達費用の上昇(主にメタノールとエチレン)を上回る価格の値上げを実現しました(主に酢酸)。
キャッシュフローおよび税金
今年度の営業キャッシュフローは8億300万ドルでした。米国適格退職年金制度への全額充当のための任意拠出金3億1,600万ドルを含める前のフリー キャッシュフローは8億2,500万ドルでした。2017年度の資本投資は2億6,700万ドルで、これには1億4,000万ドルの成長投資が含まれています。
2017年度中に株主へ還元した現金は7億4,100万ドルで、その内訳は540万株の買戻し分として5億ドル、配当金として2億4,100万ドルでした。2017年12月31日現在、現行の自社株式買戻し承認の残額は15億ドルとなっています。
先般の米国税制改正法案(Tax Cuts and Jobs Act of 2017)成立の結果、2017年第4四半期の正味税金費用は9,000万ドルとなり、累積国外所得のみなし配当に対する課税は繰延税金負債によって一部相殺されます。アセテートトウ合弁企業の準備のためのアセテートトウ事業の再編により発生した外国税控除に関連する正味税控除額は7,600万ドルでした。これらの金額は、Non-US GAAPの調整後税率計算には含まれていません。既存の外国税控除の繰り越しにより、みなし配当による現金への大きな影響はありません。
今後の展望
セラニーズの会長兼CEO(最高経営責任者)、マーク・ロアーは次のように述べています。「2017年は、アドバンスト エンジニアード マテリアルズとアセチルチェーンの両方のビジネス モデルをさらに強化しながら、コンシューマ スペシャリティが直面している課題に対処していくことを期していました。アドバンスト エンジニアード マテリアルズでは高い付加価値性のある2社の買収企業の統合が進み、新たに統合したポリマーへと需要機会を広げ、現在および今後の収益アップの基盤を確立することで、さらなる有機的成長が促進されました。アセチルチェーンでは、クリアレイクの定期修繕へ効率的に対応する計画を立てました。また、グローバル サプライチェーンを活用して業界の混乱にもすばやく対処しました。その結果、2017年は過去2番目に高い9億100万ドルの営業利益、また過去最高となる14億ドルの調整後EBITを達成しました。2018年について、アドバンスト エンジニアード マテリアルズではパイプラインモデルを進化させて、プロジェクト数をより高いレベルへと発展させること、またアセチルチェーンでは改善したモデルをベースに今の勢いをそのまま持続させていくことを期待しています。トウの収益は比較的に横ばいで推移するでしょう。先日成立した税制改正を先読みしたところでは、2018年のセラニーズの調整後税率は2%低い14%になると考えられます。これらのすべてを加味した現時点における概算では、2018年の調整後1株あたり利益の成長率は10~14%の範囲で、今年度上半期以上のペースで推移するでしょう」
GAAPベースの見通しについて、調整後1株あたり利益の予想成長率をGAAPベースの希薄化後1株あたり利益に対して調整することはできません。なぜなら、そのためには現実的ではない一定の項目の予測(例えば年金時価評価収益/損失)を含めなければならず、結果として合理的に求めることができないためです。 2018年1月25日の市場終了後、セラニーズWebウェブサイト(www.celanese.com)の「Investor Relations/Events and Presentations」セクションにて、第4四半期および通年の業績に関連するその他の情報およびプレゼンテーションをご覧いただけます。 非US GAAP指標に関する情報は、当社のWebサイトおよび下記リンクの「Non-US GAAP Financial Measures and Supplemental Information」でご覧いただけます。下記「Non- GAAP Financial Measures」を参照してください。
[Celaneseについて] セラニーズ・コーポレーションは、現在主要な産業や消費財の多くに用いられている、優れた化学ソリューションや機能性素材の製造における世界的なテクノロジーリーダーです。アセチルチェーンとマテリアルソリューションは、セラニーズの相補的な2つの中核事業であり、化学、技術、ビジネスに関する当社のグローバルなノウハウを最大限に活用し、顧客や企業にとっての価値を創出しています。顧客と協力して非常に重要な課題の解決に取り組む一方、「セラニーズ基金」を通じて地域社会や世界に貢献すべく努力しています。セラニーズは、米国テキサス州ダラスを拠点に、世界中に約7,600名の従業員を擁し、2017年には61億ドルの売上高を計上しています。セラニーズ・コーポレーションおよびその製品の詳細については、当社ウェブサイト (www.celanese.co.jp)。 すべての登録商標は、Celanese International Corporationまたはその関連会社が所有しています。
本件に関するお問い合わせ先: セラニーズジャパン株式会社 担当:滑川武博 Tel: 03-6280-5285 info.general.jp@celanese.com
将来の見通しに関する記述 (Forward-Looking Statements)
本リリースには、「将来の見通しに関する記述」が含まれている場合があります。これらの記述には、セラニーズの計画、目的、目標、戦略、将来の売上や業績、設備投資、資金需要、その他履歴情報ではない情報が含まれます。将来の見通しに関するすべての記述は、先に発表された株式買取を含み、現時点における期待や信念、様々な推測に基づくものです。 これらの期待内容が実現される、または信念が正しいことが実証されるという保証はありません。買収に関することも含み、本リリースの将来の見通しに関する記述で表現されている結果または暗示されている結果は、様々なリスクおよび不確定要素によって、実際の結果と実質的に異なる場合があります。 これらのリスクおよび不確定要素には、 セラニーズが事業を展開している国や地域の経済環境全般、事業環境、政治環境、規制環境の変化、製品および産業のビジネス サイクルの長さと深さ (特に自動車、電気、繊維、電子、建設業界)、原材料の価格および入手可能性の変化 (特にエチレン、メタノール、天然ガス、木材パルプ、燃料油の需給および市場価格)、電気および他のエネルギーの価格、原材料価格の増加を顧客価格へ反映させる能力または値上げにより利幅を改善する能力、プラント稼働率を維持する能力および予定済みの生産能力の追加および拡張を実装する能力、現在の製造原価のレベルを削減または維持する能力および既存のプラントの技術的改善により生産性を向上させる能力、価格競争の激化および他社による競合製品の導入、セラニーズが提供するテクノロジーの市場における受入状況、セラニーズが許容できる条件およびスケジュールでの当局による許可の取得および施設の建築、セラニーズの製品や技術に認められている知的財産権および他の法的保護のレベルの変化または係る知的財産の盗難、コンプライアンスおよび他のコストおよび事故、原材料供給源の停止、サイバー攻撃、テロ攻撃、政治情勢の不安定、他の予測できない出来事や施設の建造または稼動の遅延 (地政学的状況、戦争の発生、テロ攻撃による結果、または天候や自然災害による結果を含む)、是正措置に対する潜在的責任および既存または将来の環境法規に伴うコストの増加 (天候の変化に関連する法規を含む)、セラニーズが事業を展開している国における係争中の訴訟または将来の訴訟もしくは法律、規制、政府の政策の変更により生じる潜在的責任、為替レートおよび利息の変動、セラニーズによる事業への追加投資や資金調達の能力を損なう、または経済環境や化学品業界の変化に対応するセラニーズの能力を制限する恐れのあるセラニーズの負債レベル、その他セラニーズが時宜に応じて米国証券取引委員会 (SEC) に提出するレポートに記載されている様々な要素が含まれますが、これらのみに限られるものではありません。将来の見通しに関するすべての記述は、記載日現在についてのみ記述されたものであり、セラニーズは記述日現在以降の出来事や状況を反映させるため、もしくは予想されたまたは予想外の出来事や状況の発生を反映させるために、将来の見通しに関するいずれの記述についても、一切更新する義務を負いません。
Non-GAAP Financial Measures
Presentation
This document presents the Company's business segments in two subtotals, reflecting our two cores, the Acetyl Chain and Materials Solutions, based on similarities among customers, business models and technical processes. As described in the Company's annual report on Form 10-K and quarterly reports on Form 10-Q, the Acetyl Chain includes the Company's Acetyl Intermediates segment and the Industrial Specialties segment. Materials Solutions includes the Company's Advanced Engineered Materials segment and the Consumer Specialties segment.
Use of Non-US GAAP Financial Information
This release uses the following Non-US GAAP measures: adjusted EBIT, adjusted EBIT margin, operating EBITDA, adjusted earnings per share and free cash flow. These measures are not recognized in accordance with US GAAP and should not be viewed as an alternative to US GAAP measures of performance or liquidity. The most directly comparable financial measure presented in accordance with US GAAP in our consolidated financial statements for adjusted EBIT and operating EBITDA is net earnings (loss) attributable to Celanese Corporation; for adjusted EBIT margin is operating margin; for adjusted earnings per share is earnings (loss) from continuing operations attributable to Celanese Corporation per common share-diluted; and for free cash flow is net cash provided by (used in) operations.
Definitions of Non-US GAAP Financial Measures
Reconciliation of Non-US GAAP Financial Measures
Reconciliations of the Non-US GAAP financial measures used in this press release to the comparable US GAAP financial measure, together with information about the purposes and uses of non-US GAAP financial measures, are included in our Non-US GAAP Financial Measures and Supplemental Information document filed as an exhibit to our Current Report on Form 8-K filed with the SEC on or about January 25, 2018 and also available on our website at www.celanese.com under Financial Information, Non-GAAP Financial Measures, or at this link: https://investors.celanese.com/download/companies/celanesecorp/NonUSGAAP/1001247652.pdf.
Results Unaudited
The results in this document, together with the adjustments made to present the results on a comparable basis, have not been audited and are based on internal financial data furnished to management. Quarterly results should not be taken as an indication of the results of operations to be reported for any subsequent period or for the full fiscal year.
Supplemental Information
Additional information about our prior period performance is included in our Quarterly Reports on Form 10-Q and in our Non-US GAAP Financial Measures and Supplemental Information document.
Consolidated Statements of Operations - Unaudited
Consolidated Balance Sheets - Unaudited