セラニーズはポリプラスチックスの保有株式を15億7,500万ドルで100%現金取り引きにより売却。同時に自社株買い戻しの5億ドル増額を発表。
ダラス (2020年7月20日)– グローバルテクノロジーと機能性材料を提供するセラニーズ・コーポレーション(NYSE:CE)は本日、ポリプラスチックス合弁事業に投資していた同社株式の45%をダイセル化学工業に15億7,500万ドルで売却する正式契約を締結した旨を発表しました。売却成立後はダイセル化学工業がポリプラスチックス社の全株式を保有することとなります。
セラニーズ会長兼CEOのLori Ryerkerkは、「当社はここ10年の間、エンジニアード・マテリアルズ分野の基幹事業への投資と急速な拡大をグローバルに進めてきました。競合他社にはないセラニーズの強みは、特にエンジニアード・マテリアルズ事業を展開する主要市場において、独自のビジネスモデルやフレキシブルな戦略を駆使して持続可能な成長を遂げている点です。この機会に、従来のパッシブな投資の対象であった事業を売却し、今後は多額の資本をセラニーズ内の高成長事業に振り向けていきます。ダイセル化学工業との合弁事業の終了にあたり、50年以上にわたり世界中の顧客や消費者に革新的な製品を共に提供してくださった同社のご協力とご支援に感謝します。」とのステートメントを発表しました。
アジア地域におけるセラニーズのエンジニアード・マテリアルズ事業は、50年以上前に市場参入した当時に比べるとその存在感は極めて大きなものとなっています。ダイセルとの正式契約は、過去の関係から離れて現在のアプローチに計画的に移行することであり、これにより、より大きな顧客開拓および拡大のチャンスを推進します。セラニーズとポリプラスチックス(ダイセル)は今後、製品ラインの重なる市場や地域において互いに競合相手となります。
セラニーズのエンジニアード・マテリアルズ事業担当副社長Tom Kellyは、「新製品開発への投資を増やし、成長分野や主要地域における顧客ニーズへの対応を通じて、当社エンジニアード・マテリアルズ事業は成長軌道を維持する体制を備えています。5G、アドバンストモビリティ、医療・薬品、および各種サステナブルマテリアルのような応用分野で高まる需要に対応するよう、製品レンジ拡大に向けた投資を継続します。また、アジアでの生産能力を拡大し、T&I能力を強化して、アジアで急速に高まる需要に対応する計画です。」とのコメントを寄せています。
財務状況と決算報告 セラニーズは、今回の全額現金による取り引きの売却代金を、価値を創出するチャンスに充当していきます。たとえば、次に説明するEPS(1株当り利益)を押し上げてポリプラスチックスのジョイントベンチャーの収益を相殺する自社株買い戻しの増加、有機的成長に向けた各種投資、セラニーズの緻密な資金管理戦略に合致した慎重な現金の利用です。
この取り引きは、必要な規制当局の承認や慣習的な完了条件にもよりますが、本会計年度下半期中の完了を見込んでおります。それまで、ポリプラスチックス社は現行の合弁事業経営および体制下での営業を継続します。
自社株買い戻し増額の承認 上記に加え、セラニーズは5億ドルの自社株買い戻し増額が取締役会で承認されたことを発表しました。追加買い戻し対象となる自社株はセラニーズ発行済み株式の約5%に当たります。
今回の決定以前の自社株買い戻し予定額は約10億6,300万ドルでしたが、今回の増額決定により新たに5億ドルが自社株買い戻しに充当されることになり、これによりセラニーズ発行済み株式のおよそ15%に当たる15億6,300万ドルが買い戻しの対象となります。
####
ポリプラスチックスについてセラニーズとダイセル化学工業は、セラニーズが株式の45%、ダイセルが同55%を保有する合弁会社「ポリプラスチックス」を1964年に設立しました。ポリプラスチックスは日本に本社を置く企業で、ポリアセタール(POM)、液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンスルファイド (PPS)ポリマーなどのエンジニアリングプラスチック材料を製造販売しています。
セラニーズについて セラニーズ・コーポレーションは、現在主要な産業や消費財の多くに用いられている、優れた化学ソリューションや機能性素材の製造における世界的なケミカルリーダーです。化学、技術、ビジネスに関する当社のグローバルなノウハウを最大限に活用し、顧客、従業員、株主にとって、ひいては会社自体にとっての価値創出に取り組んでいます。顧客と協力して非常に重要な課題の解決に取り組む一方、「セラニーズ基金」を通じて地域社会や世界に貢献すべく努力しています。セラニーズは、米国テキサス州ダラスを拠点に、世界中に約7,700名の従業員を擁し、2019年には63億ドルの売上高を計上しています。セラニーズ・コーポレーションおよびその製品の詳細については、当社ウェブサイト www.celanese.com。
セラニーズお問い合わせ先:
将来の見通しに関する記述 (Forward-Looking Statements) 本リリースには、「将来の見通しに関する記述」が含まれている場合があります。これらの記述には、セラニーズの計画、目的、目標、戦略、将来の売上や業績、設備投資、資金需要、その他履歴情報ではない情報が含まれます。将来の見通しに関するすべての記述は、現時点における期待や信念、様々な推測に基づくものです。セラニーズがこれらの期待内容を実現する、またはその信念が正しいことが実証されるという保証はありません。本リリースの将来の見通しに関する記述で表現されている結果または暗示されている結果は、様々なリスクおよび不確定要素によって、実際の結果と実質的に異なる場合があります。これらのリスクおよび不確定要素には、セラニーズが事業を展開している国や地域の経済環境全般、事業環境、政治環境、規制環境の変化、製品および産業のビジネス サイクルの長さと深さ (特に自動車、電気、繊維、電子、建設業界)、原材料の価格および入手可能性の変化 (特にエチレン、メタノール、天然ガス、木材パルプ、燃料油の需給および市場価格)、電気および他のエネルギーの価格、原材料価格の増加を顧客価格へ反映させる能力または値上げにより利幅を改善する能力、プラント稼働率を維持する能力および予定済みの生産能力の追加および拡張を実現する能力、現在の製造原価のレベルを削減または維持する能力および既存のプラントの技術的改善により生産性を向上させる能力、価格競争の激化および他社による競合製品の導入、セラニーズが提供するテクノロジーの市場における受入状況、セラニーズが許容できる条件およびスケジュールでの当局からの許可の取得および施設の建築の可能性、セラニーズの製品や技術に認められている知的財産権および他の法的保護のレベルの変化またはかかる知的財産の盗難、コンプライアンスおよび他のコストおよび事故、原材料供給源の停止、サイ バー攻撃、テロ攻撃、政治情勢の不安定、他の予測できない出来事や施設の建造または稼動の遅延 (地政学的状況、戦争の発生、テロ攻撃による結果、または天候や自然災害による結果を含む)による生産または操業の潜在的な停止や中断、既存または将来の環境法規に伴う是正措置に対する潜在的責任およびコストの増加 (気象変動に関連する法規を含む)、セラニーズが事業を展開している国における係争中の訴訟または将来の訴訟もしくは法律、規制、政府の政策の変更により生じる潜在的責任、為替レートおよび利息の変動、セラニーズによる事業への追加投資や資金調達の能力を損なう、または経済環境や化学品業界の変化に対応するセラニーズの能力を制限する恐れのあるセラニーズの負債レベル、その他セラニーズが時宜に応じて米国証券取引委員会 (SEC) に提出するレポートに記載されている様々な要素が含まれますが、これらのみに限られるものではありません。将来の見通しに関するすべての記述は、記載日現在についてのみ記述されたものであり、セラニーズは記述日現在以降の出来事や状況を反映させるため、もしくは予想されたまたは予想外の出来事や状況の発生を反映させるために、将来の見通しに関するいずれの記述についても一切更新する義務を負いません。