グローバルテクノロジーと機能性材料を提供するセラニーズ・コーポレーション(NYSE:CE、本社:テキサス州ダラス市、以下「セラニーズ」)は、2018年度通期のGAAPベースの希薄化後1株あたり利益が$8.95、調整後1株あたり利益が$11.00となったことを発表しました。また、2018年第4四半期についても、GAAPベースの希薄化後1株あたり利益が$0.73、調整後1株あたり利益が$2.38となったことを発表しました。当四半期および当年度通期のGAAPベース1株あたり利益と調整後1株あたり利益の差は、主として年金資産時価評価及び企業買収・リストラ活動関連費用によるものです。2018年度通期の純売上高は、単価及び販売数量の増大により、前年比17%増の72億ドルとなりました。エンジニアード マテリアルズとアセチル チェーンの両セグメントが大きく寄与し、2018年度の業績は好調に推移しました。業界のファンダメンタルズが改善する環境で、アセチル チェーンは、ビジネスモデルを実行して前年比で販売数量と単価を増加させることで、収益を新たなレベルに引き上げました。エンジニアード マテリアルズは、プロジェクトの商用化の拡大、NilitとOmniの買収による寄与、およびジョイントベンチャーの業績の向上により成長しました。セラニーズは、過去最高となる16億ドルの営業キャッシュフロー、12億ドルのフリーキャッシュフローを生成し、クリアレイクの酢酸ビニルモノマー(VAM)拡張、クリアレイクのリンデ合成ガスユニットの買収、OmniとNext Polymersの買収により、ハイリターン投資に充当しました。2018年度に、セラニーズは自社株買いと配当を通じて、過去最高の11億ドルの現金を株主に還元しました。
2018年第4四半期および通期 - 財政面のハイライト
(1)下記「US GAAP以外の財務指標(Non-US GAAP Financial Measures)」を参照。
(2)本プレスリリースに記載されている調整後利益の話には、「セグメント収益」などの用語の使用も含まれています。この非 GAAP 用語は下記で定義しており、セラニーズの「US GAAP以外の財務指標および補足情報(Non-US GAAP Financial Measures and Supplemental Information)」の文書で調整しています。
2018年度事業概況
エンジニアード マテリアルズ
エンジニアード マテリアルズの純売上高は2017年度比で17%増加し、26億ドルとなりました。GAAP営業利益4億6,000万ドルおよびセグメント収益6億9,400万ドルは、2017年度の単価および販売数量の両面での増加によるものです。プロジェクト商用化は年間3,274件、NilitとOmniの買収による寄与、および関連会社業績の改善の結果、4年連続のGAAP営業利益の拡大と5年連続のセグメント収益拡大となりました。エンジニアード マテリアルズは、GAAPベースの営業利益率17.7%、セグメント収益率26.8%を達成しました。2017年度比で9%の販売数量の増加は、プロジェクトの商用化の増加と買収による寄与によってもたらされ、2018年末のバリューチェーン全体にわたる広範な在庫調整を相殺しました。セグメントは、年間を通じた売上構成および商業的イニシアチブの改善により、2017年度の水準を6%上回る単価となりました。セラニーズのイブン・シーナー社の合弁事業に対する経済的持分比率の引き上げとMTBE価格の上昇により、関連会社の利益は2017年度比27%増となる2億1,800万ドルとなりました。
アセチル チェーン
2018年度には、アセチル チェーンの純売上高は40億ドルに達し、前年度比20%増となりました。業界のファンダメンタルズと稼働率が継続的に改善される中で、同事業がグローバルネットワークを柔軟化したため、単価は2017年度の水準を19%上回りました。GAAPベースの営業利益10億ドル、セグメント収益10億ドルとなり、両記録は同セグメントの収益力のさらなる余力を示唆しています。アセチル チェーンは、過去最高のGAAPベースの営業利益率25.3%(2017年度比1,020ベーシスポイント改善)を記録し、セグメント収益率25.3%(前年度比820ベーシスポイント改善)も記録しました。グローバルネットワーク活用のモデルを導入以来、同事業は、生産性を高めると同時に、価値の高い商機を特定することによって、複数年にわたる継続的な利益率の拡大を達成してきました。広域ネットワークを最適化するための多数の取り組みの結果、2018年度は原材料、運送費、およびエネルギーコストの増加を相殺して余りある利益率の拡大を達成しました。
アセテート トウ
アセテート トウのGAAPベースの営業利益は1億3,000万ドル、セグメント収益は2億7,300万ドルとなりました。販売数量は前年度比で横ばいとなりました。2018度年の単価は、業界の稼働率の低下により前年度比3%減となりましたが、販売組み合わせにより一部相殺されました。2018年の原材料費は前年度比で増加しましたが、これは主としてアセチル価格の上昇と運送費の上昇によるものです。関連会社からの配当金は1億1,600万ドルで、前年度比8%の増加となりました。
最近のハイライト
2018年第4四半期事業概況
エンジニアード マテリアルズの第4四半期純売上高は、前年同期比7%増の6億2200万ドルで過去最高となりました。エンジニアード マテリアルズは単価及び販売数量も前年同期比増加し、第4四半期のGAAPベース営業利益は9,500万ドル、第4四半期のセグメント収益は1億5000万ドルでした。第4四半期には、機会パイプラインモデルを拡大するための集中的な取り組みにより、2017年度第4四半期比でエンジニアード マテリアルズの販売数量が増加し、これは第4四半期後半に始まった業界バリューチェーン全体の在庫水準のリセットを相殺して余りあるものでした。エンジニアード マテリアルズはますますカスタマイズされた技術ソリューションで顧客のイノベーションのニーズを満たすようになったので、2018年度第4四半期には機会パイプラインは前年度同期比48%増の866プロジェクトを商用化しました。GAAPベースの営業利益率は15.3%、セグメント収益率は24.1%で、前年同期比でそれぞれ160ベーシスポイントおよび40ベーシスポイント低下しました。これは、新たな買収が利益率の希薄化とアジアの力強い成長に寄与したためです。同セグメントが正常化された地域別の販売構成に戻り、在庫を通じて四半期の原材料コストが低下するため、利益率は第4四半期の水準から回復すると予想されます。
今四半期のアセチル チェーンの純売上高は単価の上昇を背景に前年同期比5%増の9億3,600万ドルでした。GAAPベースの営業利益は2億1,100万ドル、セグメント収益は2億1,500万ドルとなり、いずれも第4四半期の記録を更新し、前年同期比21%増となりました。アセチル チェーンはグローバルサプライネットワークと統合された製品チェーンにより、前年比の原材料費の上昇を上回る単価上昇の確保を図りました。当四半期の販売数量は、同セグメントがクリアレイクでの酢酸ビニルモノマー(VAM)の拡張への転換と、特にアジアでの顧客の当四半期の在庫調整の影響による相殺の結果、前年度同期比2%減少しました。アセチル チェーンは、第4四半期の最高記録を更新し、GAAPベースの営業利益率22.5%、セグメント収益率23.0%を達成し、冬季の季節性のある四半期でも利益率を維持しました。
アセテート トウは、第4四半期のGAAPベース営業利益1,900万ドル、セグメント収益5,300万ドルを記録しました。当四半期の収益は、主として2017年度第4四半期に在庫が増加したこと、またアセチル原料価格が上昇したことにより、前年同期比で減少しました。単価は、前年同期比2%下落しました。同セグメントの業績は、2019年度第1四半期に順次回復し、2018年度第3四半期の水準になると予想されます。
キャッシュフローおよび税金
セラニーズの2018年度の営業キャッシュフローは16億ドル、フリーキャッシュフローは12億ドルでした。2018年度の資本投資は3億3,700万ドルで、前年度比約7,000万ドル増加しました。これは、多数の生産性への投資と事業全体にわたる段階的な拡大プロジェクトによるものです。2018年度中、株主へ還元した現金は11億ドルで、その内訳は8億1,700万ドルの自社株買いと2億8000万ドルの現金配当でした。当社は第4四半期に5億6,700万ドルの自社株買戻しを完了し、2018年12月31日現在、現行の自社株式買戻し承認の残額は7億1,300万ドルとなっています。2018年度の実効US GAAP税率は2017年度の20%に対して19%でした。2018年度の調整後1株あたり利益の税率は、主として米国の税制改革の影響により、前年比2%減の14%でした。
今後の展望
セラニーズの会長兼CEO(最高経営責任者)マーク・ロアーは次のように述べています。「当社の製品およびソリューションベースの事業を取り巻くファンダメンタルズおよび将来の需要予測は引き続き堅調です。当社のビジネスモデルの強み、現在進行中の有機的投資プロジェクトからの追加の寄与、および予定されている買収による寄与により、2020年度に1株当たり利益12ドルを確保するという当社の計画を再確信することができます。そうはいったものの、2018年度第4四半期に主として欧州とアジアで兆候が見られた景気減速は、世界的な景気回復する前に第1四半期から第2四半期まで続くものと感じております。この景気回復の遅れを想定し、一般的に見られる2019年の第4四半期の緩和が予想されるため、2019年度の調整後1株あたり利益は約10.50ドルになると予想します。顧客活動と経済動向に関する最新の見解に基づき、4月の第1四半期の決算発表では、当社見通しをさらに精緻化する状況になるものとみています」 米国GAAPベースの将来見通しについては、年金時価評価損益等の特定項目の予測により、予想される調整後1株あたり利益を米国GAAPベースの希薄化後1株当たり利益に対して調整することは現実的ではありません。2019年1月28日の市場終了後、セラニーズ社ウェブサイト(investors.celanese.com)の「News & Events/Presentations」セクションにて、第4四半期および通年の業績に関連するプレゼン資料およびコメントをご覧いただけます。非US GAAP指標に関する情報は、当社のWebサイトおよび下記リンクの「US GAAP以外の財務指標および補足情報(Non-US GAAP Financial Measures and Supplemental Information)」の文書でご覧いただけます。下記「GAAP以外の財務指標(Non- GAAP Financial Measures)」を参照してください。
[Celaneseについて] セラニーズ・コーポレーションは、主要産業や消費財の大半に使用されている差別化された化学ソリューション及び機能性素材の製造における世界的なテクノロジーリーダーです。セラニーズの各事業部は化学、技術、ビジネスに関するグローバルなノウハウを最大限に活用し、顧客、従業員、株主、企業にとっての価値を創出しています。また顧客のパートナーとして各社の最も重要なビジネス ニーズを満たしながら、「セラニーズ基金」を通じて地域社会や世界に貢献すべく努力しています。セラニーズは米国テキサス州ダラスを拠点とし、世界に約7,700名の従業員を擁しています。2018年度の売上高は72億ドルです。セラニーズおよび製品の詳細はウェブサイト (www.celanese.co.jp) 。
本件に関するお問い合わせ先: セラニーズジャパン株式会社 担当:滑川武博 Tel: 03-6280-5285 info.general.jp@celanese.com
将来の見通しに関する記述(Forward-Looking Statements)
本リリースには、「将来の見通しに関する記述」が含まれている場合があります。これらの記述には、セラニーズの計画、目的、目標、戦略、将来の売上や業績、設備投資、資金需要、その他履歴情報ではない情報が含まれます。将来の見通しに関するすべての記述は、現時点における期待や信念、様々な推測に基づくものです。セラニーがこれらの期待内容を実現する、または信念が正しいことが実証されるという保証はありません。本リリースの将来の見通しに関する記述で表現されている結果または暗示されている結果は、多くのリスクおよび不確定要素によって、実際の結果と実質的に異なる場合があります。これらのリスクおよび不確定要素には、 セラニーズが事業を展開している国や地域の経済環境全般、事業環境、政治環境、規制環境の変化、製品および産業のビジネス サイクルの長さと深さ(特に自動車、電気、繊維、電子、建設業界)、原材料の価格および入手可能性の変化(特にエチレン、メタノール、天然ガス、木材パルプ、燃料油の需給および市場価格)、電気および他のエネルギーの価格、原材料価格の増加を顧客価格へ反映させる能力または値上げにより利幅を改善する能力、プラント稼働率を維持する能力および予定済みの生産能力の追加および拡張を実装する能力、現在の製造原価のレベルを削減または維持する能力および既存のプラントの技術的改善により生産性を向上させる能力、価格競争の激化および他社による競合製品の導入、セラニーズが提供するテクノロジーの市場における受入状況、セラニーズが許容できる条件およびスケジュールでの当局による許可の取得および施設の建築、セラニーズの製品や技術に認められている知的財産権および他の法的保護のレベルの変化または係る知的財産の盗難、コンプライアンスおよび他のコストおよび事故、原材料供給源の停止、サイバー攻撃、テロ攻撃、政治情勢の不安定、他の予測できない出来事や施設の建造または稼動の遅延(地政学的状況、戦争の発生、テロ攻撃による結果、または天候や自然災害による結果を含む)による生産または事業の潜在的な混乱や中断、是正措置に対する潜在的責任および既存または将来の環境法規に伴うコストの増加(天候の変化に関連する法規を含む)、セラニーズが事業を展開している国における係争中の訴訟または将来の訴訟もしくは法律、規制、政府の政策の変更または他の政府の活動により生じる潜在的責任、為替レートおよび利息の変動、セラニーズによる事業への追加投資や資金調達の能力を損なう、または経済環境や化学品業界の変化に対応するセラニーズの能力を制限する恐れのあるセラニーズの負債レベル、その他セラニーズが時宜に応じて米国証券取引委員会(SEC)に提出するレポートに記載されている様々な要素が含まれますが、これらのみに限られるものではありません。将来の見通しに関するすべての記述は、記載日現在についてのみ記述されたものであり、セラニーズは記述日現在以降の出来事や状況を反映させるため、もしくは予想されたまたは予想外の出来事や状況の発生を反映させるために、将来の見通しに関するいずれの記述についても、一切更新する義務を負いません。
GAAP以外の財務指標(Non-GAAP Financial Measures)
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本文書は、セラニーズの3つの事業セグメントである、エンジニアード マテリアルズ、アセテート トウ、およびアセチル チェーンを示しています。
US GAAP以外の財務情報の使用
本リリースでは、調整後EBIT、調整後EBIT利益率、営業EBITDA、調整後1株あたり利益、およびフリーキャッシュフローという、 US GAAP以外の指標を使用しています。これらの指標は、US GAAPに従って認識されていないため、US GAAPの業績または流動性の指標に代わるものと見なされるべきではありません。調整後EBITおよび営業EBITDAについてセラニーズの連結財務諸表でUS GAAPに従って最も直接的に比較対象となる財務指標は、セラニーズ・コーポレーションに帰属する純利益(損失)です。調整後EBIT利益率については営業利益率、調整後1株あたり利益については、セラニーズ・コーポレーションに帰属する継続事業からの1株あたり希薄化後利益(損失)、フリーキャッシュフローについては、営業活動によって使用された純現金が相当します。
US GAAP以外の財務指標の定義
US GAAP以外の財務指標の調整
本プレスリリースで使用されているUS GAAP以外の財務指標と比較可能な米国GAAP財務指標との調整表は、US GAAP以外の財務指標の目的と使用に関する情報とともに、セラニーズの「US GAAP以外の財務指標および補足情報(Non-US GAAP Financial Measures and Supplemental Information)」の文書に含まれています。同文書は、2019年1月28日、またはその前後にSECに提出されたセラニーズのフォーム8-Kの最新報告書(Current Report)の付属文書として提出され、セラニーズのウェブサイト(investors.celanese.com)の財務情報/GAAP以外の財務指標(Financial Information/Non-GAAP Financial Measures)またはリンク先https://investors.celanese.com/download/companies/celanesecorp/NonUSGAAP/1001247652.pdfからも入手可能です。
未監査の業績
本リリースの業績は、比較可能な基準で業績を表示するために行われた調整とともに監査されておらず、経営陣に提供された内部の財務データに基づいています。四半期ごとの業績は、その後の期間または通期について報告される経営成績の指標としてとらえるべきではありません。
補足情報
セラニーズの過年度の業績に関する追加情報は、フォーム10-Qの四半期報告書およびセラニーズの「Non-US GAAP財務指標および補足情報(Non-US GAAP Financial Measures and Supplemental Information)」の文書に含まれています。
Consolidated Statements of Operations - Unaudited
Consolidated Balance Sheets - Unaudited