グローバルテクノロジーと機能性材料を提供するセラニーズ・コーポレーション(NYSE:CE、本社:テキサス州ダラス市、以下「セラニーズ」)は、2016年のUS GAAPベースの希薄化後1株あたり利益が$6.19、調整後1株あたり利益が$6.61となったことを発表しました。また、2016年第4四半期についても、US GAAPベースの希薄化後1株あたり利益が$1.12、調整後1株あたり利益が$1.52となったことを発表しました。今回の優れた実績には、マテリアル ソリューションズおよびアセチルチェーンの安定したビジネスモデルが寄与しています。アドバンスト エンジニアード マテリアルズでは、業界トップクラスの幅広いポリマーポートフォリオとアプリケーションにおける卓越した経験とノウハウとを組み合わせて需要機会を広げ、顧客に合わせたソリューションを開発したことが堅調な結果につながりました。この度セラニーズはニリット・プラスチックス(Nilit Plastics)のナイロンコンパウンド事業部の買収契約を発表しましたが、これによってポリマーのポートフォリオがさらに拡充すると共に、より包括的なサービスを顧客に提供することが可能になります。アセチル チェーンは、技術面の優位性と統合ネットワーク、世界的なプレゼンスを活用することで、成長が鈍い環境下でも収益性を維持し、他とは一線を画す業績を残しました。
2016年第4四半期及び通期-財政面のハイライト
(1) 下記「Non-US GAAP Financial Measures」を参照。
(2) 本プレスリリースに記載されている調整後利益の話には、「セグメント収益」および「調整後EBIT(利払前、税引前利益)」などの用語の使用も含まれています。 これらの非GAAP用語は下記で定義しており、「Non-US GAAP Financial Measures and Supplemental Information」で調整しています。
セラニーズの会長兼CEO(最高経営責任者) マーク・ロアーは次のように述べています。「今回、過去2番目に高いUS GAAPベースの1株あたり収益と過去最高の調整後1株あたり収益を報告できることを嬉しく思います。通常第4四半期に見られる季節性と需要の鈍化による影響の克服に大きな成功を収め、卓越した業績を達成することができました。マテリアル ソリューションズの中核事業は、差別化した幅広いポリマー ポートフォリオを活用すると共に、幅広いアプリケーションを通じてお客様に特化したソリューションを事業化することで、成長に大きく貢献しました。好調なエンジニアード マテリアルズ(アドバンスト エンジニアード マテリアルズから関連会社を除外)をさらに強化するべく、豊富な製品ポートフォリオと最先端の生産施設を擁するニリット・プラスチックスのナイロン コンパウンド事業の買収契約を発表しました。アセチルチェーンは、統合した海外拠点に依拠すると共に商業面の柔軟性を広げることで、世界的に低い利用率と軟調な需要という厳しい環境下を邁進しています。堅調な業績によって当四半期も安定した現金創出を実現し、当四半期2億ドル、通年で5億ドルの株式買戻しを支えました。2016年の1株あたりの配当は前年比20%増で、年間2億100万ドルの配当金を還元しました。両中核事業のビジネスモデルの成功と厳しい生産性向上プログラムによって、堅調かつ持続可能なキャッシュフローを引き続き創出することができました。」
2016年度事業概況
マテリアル ソリューションズ
マテリアル ソリューションズは過去2番目に高い6億5,200万ドルのUS GAAP営業利益と、過去最高となる8億9,700万ドルの調整後EBIT(利払前、税引前利益)を達成しました。マテリアル ソリューションズの中核事業は、アセテート・トウ価格の下落と関連会社の収益低下を取扱量の増加と生産性向上プログラムが補って余りある効果を発揮し、前年から右肩上がりで堅調に推移しました。アドバンスト エンジニアード マテリアルズは、主として前年比で取扱量の堅調な増加を支えた需要機会の成功に後押しされる形で、過去最高の実績を達成しました。2016年に立ち上げたプロジェクトの数は目標を超え、およそ1,385の価値強化プロジェクトを事業化しました。顧客ニーズの深い理解に基くこれらのプロジェクトは複数の業種と製品ラインに亘ります。最近のいくつかの買収によって、このモデルの成功を適用、拡張する機会がさらに広がります。アドバンスト エンジニアード マテリアルズの取扱量はアジアの成長を背景に前年比で増加しましたが、製品のポートフォリオ全体に分散しています。
アドバンスト エンジニアード マテリアルズの持分法投資損益は前年比2,800万ドル減となりました。これは、主にMTBE価格の継続的な低下がイブン・シーナー・ナショナル・メタノール・カンパニー(サウジアラビア ジュバイル市)にマイナスに影響し、韓国のエンジニアリング プラスチック社(韓国ソウル市)および日本のポリプラスチックス社(東京都港区)からの収益増加を一部相殺する形となっています。
2016年のアセテート・トウ価格は、中国以外の国における業界全体の利用率の低下が取扱量の増加と生産性の向上を相殺する以上の影響を与え、前年比8%減となりました。取扱量は、トウ業界が2015年の在庫整理の影響から回復したことで、前年よりも増加しました。
アセチルチェーン
アセチルチェーンは、バリューチェーン全体を通じたグローバル リーダーとしての位置付けとビジネスにおける俊敏性を活かして、低い利用率と原材料のデフレ環境を耐え抜きました。2016年のアセチル製品価格は、1年の大半を通じたメタノール価格の低下が生産性の向上による効果を相殺し、前年よりも低下しました。価格面でのプレッシャーおよび需要の軟化といった状況にも関わらず、米国湾岸地域とシンガポールの低コスト施設を効果的に活用することで、中核事業の利益は右肩上がりとなりました。2016年は、シンガポール・ジュロン島の最新のVAE(エチレン酢酸ビニル)製造工場が本格稼動し、東南アジア地域におけるエコフレンドリーな素材への需要の増加を支えています。
最近のハイライト
2016年第4四半期事業概況
マテリアル ソリューションズは、主に取扱量の増加、原材料費の低下、生産性向上への取り組みを背景に、2016年は右肩上がりで堅調に推移しました。アドバンスト エンジニアード マテリアルズは、過去2番目に高い8,700万ドルのUS GAAP営業利益、また過去最高となる1億2,100万ドルの調整後EBITを達成しました。収益は前年同期比(2015年第4四半期)で大幅に増加し、例年の季節変動による影響を克服しています。需要機会は、未対応となっている顧客ニーズに対応すると共に季節的な変動要因のないプロジェクトの事業化によって、広範な成長を後押ししました。第4四半期に立ち上げたプロジェクトは過去最高の389件で、複数の業界とアプリケーションに亘って製品の事業化を成功へと導きました。アドバンスト エンジニアード マテリアルズでは、優れた生産性と原材料費の低下が、複合的な要因による価格低下の影響を相殺する以上の効果を発揮しました。前年同期比での取扱量の増加は、アジア地域の成長が主要因となっています。
コンシューマ スペシャリティの利益率は、生産性向上への取り組みと原材料費の低下がアセテート・トウ価格の10%低下による影響を相殺し、前年レベルを維持しています。
アセチルチェーンは、需要の鈍化および原材料を取り巻く厳しい環境にも関わらず前年比で利益率と収益性が増加し、柔軟なビジネスモデルの強みを示す結果となりました。生産性の向上と原材料費の低下が、価格への圧力と取扱量の低下による影響を相殺する以上の結果につながりました。また原材料を取り巻く環境がダイナミックに進化する中で、世界的資産基盤を背景にした選択性の増加によって、チェーン全体を通じたコスト削減が可能になりました。アジアにおけるVAM(酢酸ビニルモノマー)の価格は、業界全体の利用率が低かったことから前年同期比で低下し、エマルジョン ポリマーの世界的な価格は、主に原材料費の低下(主としてVAM)をうけて軟調でした。また欧州における取扱量の減少及びアジアでのEVAポリマーの軟調な需要によりVAMの取扱量は減少しました。
キャッシュフロー
2016年度の営業キャッシュフローは8億9,300万ドルでした。また米国年金制度の任意加入年金デレバレッジ3億ドルを含める前のフリー キャッシュフローは、9億2,300万ドルでした。2016年度の資本投資は2億4,600万ドル、第4四半期の資本投資は6,000万ドルでした。
2016年度、株主に還元した現金は7億100万ドル、700万株の買戻しに要した金額は5億ドルで、支払配当金は2億100万ドルでした。2016年12月31日現在、現行の自社株式買戻し承認の残額は5億3,100万ドルとなっています。
今後の展望
マーク・ロアーは次のように述べています。「2016年は、さまざまな逆風に遭いながらも引き続き堅調な成長を実現し、各種計画を成功へと導くことができました。マテリアル ソリューションズの需要機会では大きな成功を収め、アセチルチェーンでは厳しい環境の中でも強さを発揮して乗り切ることができました。2017年、中国の経済環境には復調の予兆が見え始めており、欧州と南北アメリカの状況は引き続き安定しています。アドバンスト エンジニアリング マテリアルズは、新規プロジェクトの事業化および最近の買収取引を通じたパイプライン モデルの拡張によって、引き続き高い価値を引き出していくでしょう。各種原材料価格の上昇は好要因で、世界的にアセチル バリューチェーンの利益率を高める機会となります。両中核事業における当社のビジネスモデルの俊敏性、また生産性向上への取り組みによって、アセテート・トウおよび為替の逆風の中でも、成長していくことができると確信しています。現時点において2017年の調整後1株あたり収益は、8~11%の範囲で推移する見込みです。上半期は大規模な定期修繕が予定されていることから、収益の山は下半期に来ることになるでしょう。」
US GAAPに関しては、調整後1株あたり利益の予想成長率をGAAPベースの希薄化後1株あたり利益に対して調整することはできません。なぜなら、そのためには現実的ではない一定の項目の予測(例えば年金時価評価収益/損失)を含めなければならず、結果として合理的に求めることができないためです。セラニーズ社ウェブサイト(www.celanese.com)の「Investor Relations/Events and Presentations」セクションで、第4四半期及び通期の業績に関連するその他の情報およびプレゼンテーションをご覧いただけます。非US GAAP指標に関する情報は、当社のWebサイトおよび下記リンクの「Non-US GAAP Financial Measures and Supplemental Information」でご覧いただけます。 記「Non- GAAP Financial Measures」を参照してください。
[Celaneseについて]
セラニーズ・コーポレーションは、主要産業や消費財の大半に使用されている差別化された化学ソリューション及び機能性素材の製造における世界的なテクノロジーリーダーです。2つの中核事業であるアセチルチェーンとマテリアル ソリューションズは当社のグローバルな化学、技術、ビジネスノウハウを最大限に活用し、顧客や企業に価値を創出しています。顧客と提携して彼らの最も重要な課題の解決に取り組む一方、「セラニーズ・ファンデーション」を通じて地域社会や世界にプラスの効果をもたらすべく貢献しています。セラニーズは米国テキサス州ダラスを拠点とし、世界に約7,300名の従業員を擁しています。2016年度の売上高は54億米ドルです。セラニーズおよび製品の詳細はウェブサイト (www.celanese.co.jp)。
本件に関するお問い合わせ先: セラニーズジャパン株式会社 担当:滑川武博 Tel.: 03-3436-3279 info.general.jp@celanese.com
将来の見通しに関する記述 (Forward-Looking Statements)
本リリースには、「将来の見通しに関する記述」が含まれている場合があります。これらの記述には、セラニーズの計画、目的、目標、戦略、将来の売上や業績、設備投資、資金需要、その他履歴情報ではない情報が含まれます。将来の見通しに関するすべての記述は、先に発表された株式買取を含み、現時点における期待や信念、様々な推測に基づくものです。 これらの期待内容が実現される、または信念が正しいことが実証されるという保証はありません。買収に関することも含み、本リリースの将来の見通しに関する記述で表現されている結果または暗示されている結果は、様々なリスクおよび不確定要素によって、実際の結果と実質的に異なる場合があります。 これらのリスクおよび不確定要素には、 セラニーズが事業を展開している国や地域の経済環境全般、事業環境、政治環境、規制環境の変化、製品および産業のビジネス サイクルの長さと深さ (特に自動車、電気、繊維、電子、建設業界)、原材料の価格および入手可能性の変化 (特にエチレン、メタノール、天然ガス、木材パルプ、燃料油の需給および市場価格)、電気および他のエネルギーの価格、原材料価格の増加を顧客価格へ反映させる能力または値上げにより利幅を改善する能力、プラント稼働率を維持する能力および予定済みの生産能力の追加および拡張を実装する能力、現在の製造原価のレベルを削減または維持する能力および既存のプラントの技術的改善により生産性を向上させる能力、価格競争の激化および他社による競合製品の導入、セラニーズが提供するテクノロジーの市場における受入状況、セラニーズが許容できる条件およびスケジュールでの当局による許可の取得および施設の建築、セラニーズの製品や技術に認められている知的財産権および他の法的保護のレベルの変化または係る知的財産の盗難、コンプライアンスおよび他のコストおよび事故、原材料供給源の停止、サイバー攻撃、テロ攻撃、政治情勢の不安定、他の予測できない出来事や施設の建造または稼動の遅延 (地政学的状況、戦争の発生、テロ攻撃による結果、または天候や自然災害による結果を含む)、是正措置に対する潜在的責任および既存または将来の環境法規に伴うコストの増加 (天候の変化に関連する法規を含む)、セラニーズが事業を展開している国における係争中の訴訟または将来の訴訟もしくは法律、規制、政府の政策の変更により生じる潜在的責任、為替レートおよび利息の変動、セラニーズによる事業への追加投資や資金調達の能力を損なう、または経済環境や化学品業界の変化に対応するセラニーズの能力を制限する恐れのあるセラニーズの負債レベル、その他セラニーズが時宜に応じて米国証券取引委員会 (SEC) に提出するレポートに記載されている様々な要素が含まれますが、これらのみに限られるものではありません。将来の見通しに関するすべての記述は、記載日現在についてのみ記述されたものであり、セラニーズは記述日現在以降の出来事や状況を反映させるため、もしくは予想されたまたは予想外の出来事や状況の発生を反映させるために、将来の見通しに関するいずれの記述についても、一切更新する義務を負いません。
Non-GAAP Financial Measures
Presentation
This document presents the Company's business segments in two subtotals, reflecting our two cores, the Acetyl Chain and Materials Solutions, based on similarities among customers, business models and technical processes. As described in the Company's annual report on Form 10-K and quarterly reports on Form 10-Q, the Acetyl Chain includes the Company's Acetyl Intermediates segment and the Industrial Specialties segment. Materials Solutions includes the Company's Advanced Engineered Materials segment and the Consumer Specialties segment.
Use of Non-US GAAP Financial Information
This release uses the following non-US GAAP measures: adjusted EBIT, adjusted EBIT margin, operating EBITDA, adjusted earnings per share and free cash flow. These measures are not recognized in accordance with US GAAP and should not be viewed as an alternative to US GAAP measures of performance or liquidity. The most directly comparable financial measure presented in accordance with US GAAP in our consolidated financial statements for adjusted EBIT and operating EBITDA is net earnings (loss) attributable to Celanese Corporation; for adjusted EBIT margin is operating margin; for adjusted earnings per share is earnings (loss) from continuing operations attributable to Celanese Corporation per common share-diluted; and for free cash flow is net cash provided by (used in) operations.
Definitions of Non-US GAAP Financial Measures
Reconciliation of Non-US GAAP Financial Measures
Reconciliations of the non-US GAAP financial measures used in this press release to the comparable US GAAP financial measure, together with information about the purposes and uses of non-US GAAP financial measures, are included in our Non-US GAAP Financial Measures and Supplemental Information document filed as an exhibit to our Current Report on Form 8-K filed with the SEC on or about February 1, 2017 and also available on our website at www.celanese.com under Financial Information, Non-GAAP Financial Measures, or at this link: https://investors.celanese.com/download/companies/celanesecorp/NonUSGAAP/1001247652.pdf.
Results Unaudited
The results in this document, together with the adjustments made to present the results on a comparable basis, have not been audited and are based on internal financial data furnished to management. Quarterly results should not be taken as an indication of the results of operations to be reported for any subsequent period or for the full fiscal year.
Supplemental Information
Additional information about our prior period performance is included in our Quarterly Reports on Form 10-Q and in our Non-US GAAP Financial Measures and Supplemental Information document.
Consolidated Statements of Operations - Unaudited
Consolidated Balance Sheets - Unaudited